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技能実習生・特定技能の外国人が日本を選ばなくなっている!?“日本離れ”の背景とは

更新日:6月24日

最近、外国人材を送り出している機関から、**「面接で集まる人が少なくなってきた」**という声を耳にします。実は今、技能実習生や特定技能の外国人材による“日本離れ”が静かに進行している状況にあるんです。


かつては「日本で働きたい」という希望者が多かったのに、現在は韓国・台湾・シンガポールなど、他国を選ぶ人が増えているのが現実です。この変化にはいくつかの明確な理由があり、それを理解した上で対応していかなければ、将来的な人材確保がますます難しくなってしまいます。


日本離れの原因には、「制度への不安」「待遇の相対的な低さ」「他国の魅力」などが重なった結果にあります。この傾向は一時的なものではなく、各国の労働政策や社会環境の変化によって、今後さらに加速していく可能性があります。


そのため、企業としては「以前と同じ感覚」で受け入れを続けるのではなく、外国人材から“選ばれる国・選ばれる企業”になる意識が求められます。


なぜ日本は選ばれなくなっているのか?

主な理由は、以下の通りです。


1.  他国との待遇差が広がっている。

台湾や韓国では、外国人労働者向けの制度が見直され、賃金や福利厚生が改善されています。週休2日制手取りの多さ母語サポートの充実など、日本よりも優れた条件が整っている国が増えているのです。


2.  円安による実質収入の減少近年の為替レートの影響。

これにより、日本で働いても以前ほど多くの仕送りができないという現実があります。「働いても稼げない国」という印象が定着し始めているのです。


3.  SNSなどによる情報の可視化。

実習生・特定技能生のリアルな体験がYouTubeやTikTok、Facebookなどを通じて広がっています。待遇の良し悪しやトラブル事例が簡単に共有される今、「失敗したくないから別の国へ」という判断がしやすくなっているのです。


4.  一部の制度運用への不信感。

技能実習制度における長時間労働適正賃金の未払いハラスメントなどが一部で問題視され、制度全体への信頼を失いつつあるという声も少なくありません。


このような背景から、外国人材が日本を選ぶ理由がどんどん薄れてきています。特に若い世代の中では、「制度の透明性」「働きやすさ」「言語サポート」「生活のしやすさ」など、労働環境全体を総合的に見て進路を選ぶ傾向が強まっています。


こうした現状を前に、「来なくなった」「人が集まらない」と嘆くのではなく、企業としては今こそ自社の受け入れ体制を見直すことが重要です。


何をすれば良いのか

では、具体的に企業様がどんな対策をすべきか?以下のような取り組みが、選ばれる企業になるために欠かせません。


  • 宗教・文化への理解と配慮(食事、祈り、生活習慣など)

  • 休日・労働時間・安全面の適正管理

  • 職場でのコミュニケーション機会の増加(挨拶、声かけ、交流行事など)


これらの積み重ねが、**「この会社なら安心して働ける」「ここなら続けたい」**という信頼につながり、応募や定着率を改善していくのです。


今、世界中の労働力市場では「外国人材の争奪戦」が起きています。この中で、日本が再び「選ばれる国」になるためには、現場からの意識改革と環境整備が不可欠です。


大切なのは、「人手不足を埋めるために来てもらう」のではなく、「働く人の人生を預かる」視点を持つことです。制度や条件の見直しはもちろん、毎日の挨拶や相談対応など、小さな積み重ねが企業の価値を高めていきます。


私たちも、外国人材の受け入れと支援に関わる立場として、企業様と一緒により良い環境づくりをサポートしてまいります。今だからこそ、「本当に選ばれる企業」へと一歩踏み出してみませんか?



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