製造業に向いているのは技能実習?特定技能?
- 環境創生
- 7月1日
- 読了時間: 4分

製造業の現場では、慢性的な人手不足が続いており、外国人労働者の受け入れを検討されている企業様が年々増えております。
その中でよくいただくご相談が、**「技能実習制度」と「特定技能制度」って何が違うの?どちらがおすすめなの?**というご質問です。結論から申し上げますと、企業様の目的や社内体制によって、どちらが向いているかは変わってきてしまいます。
今回は、特に製造業における外国人材の受け入れについて、技能実習と特定技能の違いや、それぞれのメリット・デメリットをわかりやすく解説いたします。
まず、教育に力を入れて“育てる人材”を求めるなら技能実習、即戦力を求めるなら特定技能がおすすめだと言えます。どちらも製造業での受け入れは可能ですが、制度の趣旨や必要な準備が大きく異なりますので、自社の現場に合った制度を選ぶことが成功のカギになります。
それでは、それぞれの制度について詳しく見てまいりましょう。
技能実習制度の特徴(製造業対応)
技能実習制度は、開発途上国の若者が日本で技能を学び、母国に持ち帰ることを目的とした制度です。製造業では、機械加工、金属プレス、鋳造、溶接など、さまざまな職種での受け入れが認められています。
【メリット】
最長5年間の受け入れが可能
実習生は事前に日本語・マナー教育を受けており、まじめな人が多い
社内の教育体制が強化されることで、日本人社員にも良い影響がある
【デメリット】
制度上は“育成”が目的のため、即戦力として使うことはできない
受け入れには監理団体との契約が必要で、手続きがやや煩雑
日本語レベルは基本的にN5〜N4程度で、指示の工夫が必要
製造ラインで基礎から丁寧に教えていける体制がある企業様には、とても向いている制度です。**「長く働いてもらいながら、一緒に成長していきたい」**というお考えの企業様には、技能実習制度がマッチしやすいです。
特定技能制度の特徴(製造業対応)
特定技能制度は、人手不足が深刻な業種において、一定のスキルと日本語力を持つ外国人を“即戦力”として受け入れる制度です。製造業では「産業機械製造業」「金属加工業」「電気電子情報関連産業」などが対象分野として認められています。
【メリット】
試験合格者または技能実習修了者が対象なので、ある程度の業務経験がある
在留資格の更新により、5年以上の就労も可能(条件付き)
直接雇用が基本のため、企業との信頼関係を築きやすい
【デメリット】
受け入れにあたり「支援計画」の作成・実施が企業側に義務付けられる
外国語対応の相談窓口・生活支援体制を社内に整える必要がある
日本語レベルや実務スキルにバラつきがあり、事前確認が重要
「すでに経験がある人に入ってすぐに働いてほしい」「現場で即戦力が欲しい」という企業様には、特定技能の方が向いている可能性があります。ただし、生活支援や法的義務を企業が直接担う分、責任は技能実習よりも重くなる点は要注意です。
製造業の現場では、**「指示をきちんと理解して動いてもらえるかどうか」**が非常に大切になります。そのため、どちらの制度であっても、日本語力への配慮、やさしい指示出し、実演を交えた教育などが不可欠です。
また、技能実習から特定技能への移行も可能で、実習生として3年間働いた方が、そのまま特定技能として続けて働くケースも増えています。このように、制度を組み合わせて長期的な雇用計画を立てることも、今後は大切な戦略となります。
まとめ
「教育重視・社内体制が整っている」→ 技能実習が向いている
「即戦力・長期的な就労を期待」→ 特定技能が向いている
という視点で制度選びを考えてみてください。
製造業での外国人受け入れは、現場に新しい風を吹き込み、組織全体の成長にもつながる大きなチャンスです。だからこそ、最初の制度選びがとても大切なんですね。
私たちも、監理団体のご紹介や制度設計、配属後のフォローまでしっかりサポートさせていただきますので、「うちにはどちらが合っているだろう?」「まず何から始めればいい?」とお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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