技能実習生はどのくらいの日本語力で配属される?面接から配属までの流れとは
- 環境創生
- 6月26日
- 読了時間: 4分
更新日:6月26日

「技能実習生って、どのくらい日本語が話せる状態で来るの?」「配属後、仕事を任せても大丈夫なの?」そんな疑問をお持ちの企業様も多いのではないでしょうか?
実際のところ、実習生の日本語力には個人差がありますが、配属時点でのレベルは期待よりも低いことが少なくありません。だからこそ、「どのレベルの日本語力が一般的なのか?」「受け入れ時にどんな準備が必要か?」をしっかり理解しておくことが、スムーズな受け入れの第一歩となります。
今回は、技能実習生の日本語力について、配属時の目安と、企業側が意識しておくべきポイントを詳しく解説いたします。
技能実習生は多くの場合、配属時点でN4〜N5程度の日本語力を持っている方が中心です。日本語能力試験(JLPT)でいうと、「日常の簡単な会話や指示がなんとか理解できる」レベルが目安です。ただし、読み書きや応答スピードにはバラつきがあり、「業務に必要なやりとりをすべて理解できる」というわけではないのが実情です。
つまり、配属初日から「完璧に理解してくれる」ことを前提にしてしまうと、実習生も企業もお互いにストレスを感じやすくなってしまうんですね。
なぜ配属時点で、そのレベルなのか
まず、技能実習生は来日前に母国で「日本語講習」を約150〜300時間ほど受けてから渡航します。その講習では、あいさつ、数字、基本的な動作の表現、身近な単語などが中心に教えられていますが、専門用語や業務特有の表現まではカバーされていないことが多いです。
さらに、送り出し機関によって教育の質にも差があるため、同じJLPT N4レベルであっても“聞き取りが得意な人”“読み書きが苦手な人”といった違いが出るんです。
そのため、企業様が配属後に想定すべき現実は、「簡単なあいさつや単語は分かるけど、長い説明や複雑な指示はまだ難しい」という状態です。これを前提に、やさしい日本語や実演を交えた指導ができる体制を整えておくことが重要になります。
ポイントと対策
では、具体的にどのような対応をすれば、実習生が仕事に慣れやすくなるのでしょうか?いくつかのポイントをご紹介いたします。
1. 指示は短く、明確に伝える。
「それをちょっと片づけといて」ではなく、「この箱をあそこに運んでください」と、具体的な動作と対象物を明確にして伝えることで、理解しやすくなります。動作を見せながら話すと、より効果的です。
2. 同じ言葉を繰り返し使う日によって言い方が変わると、実習生は混乱してしまいます。
たとえば、「掃除して」と言ったり「きれいにして」と言ったりすると意味が通じにくくなることがあります。なるべく同じフレーズを繰り返し使うことで、実習生が言葉を覚えやすくなります。
3. 書いた指示+イラスト・写真を活用文字だけでは伝わらない。
業務マニュアルをやさしい日本語で作ったり、写真や絵を加えた掲示を用意するのも非常に有効です。最近では翻訳アプリやAI音声通訳なども活用されています。
4. 定期的に面談やフィードバックを行う。
「何が分からなかったか」「どこが難しいと感じているか」を定期的に確認することで、実習生とのコミュニケーションが深まり、離職やトラブルの防止にもつながります。
もちろん、全員が最初からスムーズに話せるわけではありませんが、ほとんどの実習生はとても真面目で、努力家です。指導や会話の中で少しずつ語彙が増え、半年〜1年で驚くほど上達することも珍しくありません。
環境で変えられる
だからこそ、「まだ話せないから困る」ではなく、「どう伝えれば伝わるか?」という視点に切り替えることで、職場全体の雰囲気も大きく変わっていきます。
外国人実習生を受け入れるということは、ただ人を雇うのではなく、「育てながら一緒に働く」ことに取り組むということです。そしてその第一歩が、「言葉の壁」に対する理解と工夫です。
今後、外国人材の受け入れがますます一般的になっていく中で、日本語力を“伸ばす環境”を作ることこそが、企業の信頼を高め、長期的な戦力づくりにもつながります。
私たちも、企業様と実習生の橋渡しとして、受け入れ準備や日本語サポートのアドバイスなど、全力でお手伝いしております。「うちでも受け入れて大丈夫かな?」「今の教育体制で伝わっているか不安…」という企業様も、ぜひお気軽にご相談くださいね。
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